私とチェンライ・・・長~い1日完結編

インターナショナルクラス・SS1(下の図がコースプロフィール)、スタートは9時頃だったので既に6時間が経過・・・・・

15時、こんなことになっていようとはつゆ知らず、私はホテルのプールサイドでノンビリくつろいでおりました。
 

下の図の赤矢印のあたりまではこのクラスでトップクラスの人であれば2時間かかっていないはず、、、

はたしてどこまで行ってしまったのか・・・・
道を尋ねようとしたら逃げられたり、川を渡れと言われたり、英語がしゃべれても何の役にも立たない電気も電話も無いタイの山奥、、、、、、
行きの飛行機の中で『ゆびさしタイ語』を一生懸命読んでいたのに覚えたのはこういう場面では意味の無い言葉ばかり・・・「右」とか「左」とか基本的な所をおさえておけばよかったとは後の祭りですw。

それでは緊迫の後編をどうぞw。

徐々に日が傾き始めて来た、とは言えまだまだ暑い、街灯なんて一つもないので日没=お泊り、残された時間は3時間…。コーラを買った村を起点にして色んな方向に走ってみるがいずれも見慣れない風景、また元の村へ戻っていると向こうからピップアップトラックが、荷台には7.8人が乗っている、これだけいれば一人くらいは会話ができる人がいるかも!

早速手を振って止まってもらう、レースに出ていたら迷ってしまい困っている、こんな格好の人見なかったかを身振り手振りで必死に伝える、、、ホント必死、
その中に英語が少し分かる人がいて、普通に英語の話せる友人に電話をしてくれる事に、、、
久々に見る文明の利器にちょっと感動しながら早速会話『キミは何処へ行きたいの?』『ホテルの電話番号は?』言っている事は分かりますが、肝心の答えの持ち合わせがない…。一昨年走った時に見覚えのあった、温泉に行ってみれば何か分かるかもと思い、何処にあるのか聞いてみる、『温泉って何処の?幾つかあるけど…』・・・終った。。。
この線もダメだ、ホテルの電話番号を調べて貰うという手を考えるも、104とか無さそうだし、いい加減彼らを止めておくのも申し訳ないので諦める。

別れ際に、近くにある温泉までの地図を描いてくれ、ホテルの名称とチェンライの街へ行きたい、と言う文字もタイ語で書いてもらった。
それがコレ↑
ミネラルウォーターと竹に入ったもち米のお菓子も頂く、お腹も決して強くないので普段だったら警戒して食べないですが、今日は特別、貪るように食べ切ってお礼を言う、このグループの人たちはみんなホントに優しかったな~。

やはり前に躊躇していた川を渡るしかないようなので、決心してそこまで向かう、両足攣ってきちゃったし、もう行くしかない!一気に川へ突っ込む、と次の瞬間自転車浮くしw・・・腰まで浸水、冷たくて気持ちイイ…でもこのまま水遊びしている時間も気力もない、流れる自転車を掴み、向こう岸に到着。

しばらく走るとまた小さな村に出る、ここで、中井○一似のお兄さんから『レースをやってるのを俺はみた、そっちだ!チェンライの街もそっちだ!』(と多分言っていた・・・はず・・・)という有力情報をゲット!嬉々として指差された方向へダッシュ、最後の力を振り絞り次の村まで走り、人の良さそうなおばさんに聞いてみる。

『こんな格好の人見なかった?』(ジェスチャー)『知らないよ』(おばさん首を振る)『んじゃ、チェンライの街は?』

(必死に例の紙を見せた)『逆だよ、あんたの来た道』(笑いながらおばさん)『ウソ~!』

もうダメだ…帰れない…何処だココは?

張り詰めていた緊張の糸が切れた。

もう泊ろう、明日考えよう、虫除け持ってくれば良かったな・・・(これを考える余裕はあったのかw)
空を見ればもう夕方、道を行き交う人ももういない、さっきウソ言いやがった(多分ウソを言ったのではなく、そう受け取るしか思考が働かなかっただけなんじゃないかと・・・)○一ちゃんのいる村へ戻り、違うとジェスチャー、それすら彼に伝える事が出来ない、自分が知っているタイ語は挨拶と

『気持ちい(サバーイ)』

『アローイ(美味しい)』

『くすぐったい(ジャガジー)』

『痛い(ジップ)』
とマッサージや食事で伝えるもののみ、

どんなに上手く繋げても迷った時に使えそうな言葉は無い、それを見ていた子供達が自分のマネをして笑う、軽い▲意を覚えるも、ここはタイの奥地、自分は変なカッコして自転車乗っている外人、おまけに全身ずぶ濡れ、そりゃ面白がるよな…。

この村はアウェー感たっぷりでこれ以上いても無駄そうなので、さっき来た道を戻る。
渡った川から少し行ったところに、ホテルの前にあるのと似た雰囲気の大な川があったからだった(川はどこも同じような感じだと思いますけどね・・・メコン川でなくて良かったw)、ここでボートをヒッチハイクしてホテルまで帰ろう!何の根拠も無かったが、もう暗いし脚も動かないのでこれしかないと決心、
ポイントを探していると観光客を乗せた一隻の舟が…『ストーップ!ヘルプミー!』
ハリウッドばりのアクションを入れたのがマズかったか(完全に不審者ですねw)、一旦は近づくも再加速、『Oh!No~!』そりゃ、変なカッコした外人が手振ってたら自分でも止まらないよな…これも駄目だ。。ヒッチハイク作戦も敢え無く失敗し万事休す(涙。

とぼとぼ自転車をこいでチェンライ市街と思われる方向に進んでいると
川辺ある一軒屋に辿りついた。条件反射的に『こんな人見なかった?』と英語で聞いてみるも通じない、でもこのおじさんがいい人だった!残念そうにしている自分を見てさっと水を出してくれた、ここまで8時間彷徨ってきたがここまでの親切は初めて、でもその水、後ろにあるドラム缶から汲んでいたような…サラダは野菜を洗った水がヤバイという言葉に忠実に従ってしまう都会派の自分には、この水はどうしても飲めず…。
背中に入れたコーラもとっくに無いし、喉から手が出る程欲しかったけど、寸前の所で我慢、ゴメンなさいと日本語で謝る、すると今度はおじさん、自分の家を指し、寝ていけ!メシ食ってけ!とジャスチャーしてくれた。

リアルウルルン滞○記じゃん…

結構その気になるが、肝が据わってる仲間達も流石に心配ているだろうし、警察沙汰になってニュースにでも出たらそれこそ洒落にならないし(実際大会本部ではスタッフが捜索を続けながら警察に連絡するか協議していた所でした)、虫除けも持って無いし(まだそこですか?虫除けどころでは無い気もするんですけど・・・)…何が何でも今日中に帰らなくては!!彼の後ろにあった原付きを指差して、さっき書いてもらった紙を見せ、『GO!Please!』を連発、最初は『もう遅いから、明日ね、さあ~ご飯食べよう!』という雰囲気だったが、こちらの迫力が伝わったらしく『OK!マイペンライ!(問題無いよ!)』と言ってくれた。

『サワディーカ~ップ!』
暗くなった山の中で叫んでおりました。
(それを言うなら『コップンカップ ・・・ありがとう』です・・・笑・・・こんにちはぁーって叫んでもねぇーw・・・相当精神的に極限状態だったんでしょうね)

自転車は置いていけ、明日取りにおいで、という感じでしたが、(この頃になると相手の言っている事が何となく分かるようになった)ここが何処だか分からないし、一緒に持って行きたいと頼む、試行錯誤の結果、タイヤはおじさんに紐で縛りつけ、フレームは自分で持っていよいよ出発!

ボコボコのジープロードを1時間ほど走ると、見たことのある橋、象に乗るポイントにある橋じゃないですか、同時に矢印マークも発見!
約7時間ぶりのコース復帰!!!

元気だったらここで降ろしてもらい自走で帰りたかったのですが、あたりはもう暗いし、

脚も無いので甘んじてホテルまで送って頂く、時々おじさんのくしゃみが飛んできましたが、安堵感もあったせいか夜風の中とても心地よいドライブでした。

しばらくして、念願のホテルに到着、送ってくれたおじさんにささやかなお礼を渡して熱い抱擁。あなたがいなかったらどうなっていたか…これも自分のタイ語で伝えたかったなぁ。

友人、チームの仲間、イベントの参加者、ホテルの従業員、主催者、皆に心配をかけてしまった、会う人会う人に謝り、経過を報告、皆寛容でいてくれたのが救いでした。

翌日の朝、参加者全員と再会。
ここにいられることがホント嬉しい、昨日は冗談抜きにある意味死も覚悟した、まだまだやりたいこといっぱいあったのに・・・今は生きてるって実感(笑!
もう順位は付きませんが、今日も参加、出がらしの体でしたが、みんなと走る喜びをかみ締めながら、今度は迷わず(1箇所4人パックの状態で間違えましたが(汗))ゴールできました。

そして夜の表彰パーティーでは特別賞を頂く事に!
今まで沢山レースに参加してきましたが、一番思い出に残る賞になりました。
多分これを超えるものはないのではと思います(お願いだから超えないでください・・・w)

最後は無事に帰ったお祝い&お仕置き?で皆にプールへ投げ込んでもらい、

長かった3回目のチェンライが終りました。

翌朝帰国してそのままのいつも通り仕事開始、さっきまであんな体験をしてたのに、しれっとスーツ着て得意先でペコペコしてる自分がちょっと面白く感じたり…今回の件でしばらく営業のネタに困る事は無さそうです。

初のレースレポートでしたが、本当に長文になってしまいました、最後まで読んで頂いて有難うございました。

今回の事は、ほんの少し走る事に対する少しの準備と、心構えで回避できた事だったと今更ながらに気付きました。

来年こそはしっかり準備をして、必ず完走します!目指します3000バーツw

4月にはJシリーズが始まりますが、こちらでも迷わないよう、応援を頂けましたら望外の喜びでございます。
今年のジャパンシリーズ・エリートクラスBibナンバー63のショウゴを見つけたら方向指示の応援よろしくお願いいたします(笑。

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