Do you know ?

何故パンクするのか?のお話

随分前にブログで書いたものを再編集してみました。
とっても長くなるかと思いますがよろしければお読みください。

軽快車、シティサイクル・・・一番わかりやすい言葉はママチャリですかね?
に乗っていらっしゃる多くの方がこのホームページ読んでくださっているのかはわかりませんが、
スポーツバイクに乗っている方々にも役に立つと思いますので書いてみようかなと思います。

まず最初に自転車のバルブ(空気の入れ口)をご紹介します。

自転車のバルブには3種類あります。

軽快車(ママチャリ)で一番一般的なのが英式バルブ

上に付いている黒いキャップは無くなってしまっても「空気が漏れる」等には直接関係有りませんので問題ないです。

キャップを外した状態

最近たまに軽快車にも付いていることがある米式バルブ(シュレッダバルブとも言います)。
自動車やオートバイに付いているものと同じで、真ん中のピンが押されることで空気の出し入れをします。

スポーツバイクで一番多いのが仏式バルブ(プレスタバルブとも言います)。
空気を高圧に入れ易く、空気圧の微調整が簡単に行えます。

っでこれからのお話の中心は一番最初にお出しした英式バルブのことと、
何でパンクするのか?パンクの種類と原因について書いていきます。


この英式バルブ、分解すると・・・

写真上段の4つの部品になります。
虫ゴム(一番右の黒い物体)というものの存在って結構皆さん知らないんですよね、単なるゴム管なんですがこれが肝なんです。

バルブにこのゴム管を取り付けた正常な状態が下段一番左です。
これを上段左から2番目のナット(周りがギザギザの円柱状のもの)で締め込んでいる状態がこの記事一番上のバルブ全体の写真です。

*1 空気がすぐ抜けてしまうという方はこのナットが緩んでいる場合も多いので空気を入れる時に確認してみてください。
中にはこのナットをわざわざ緩めて空気入れを使用している方もいるようです(空気を入れてるそばから抜けていきますよ)。

下段の右3つは虫ゴムが劣化してしまった状態です。
一番右の部品のゴム管の下側に小さな穴があるのが分かりますか?
写真の上側から空気を入れるとこの穴から出てきます、ゴム管が正常ならば空気を入れた時だけにゴム管が膨張してチューブの中に空気が送り込まれ、入れるのを止めれば収縮して漏れを塞ぎます。

ゴム製品ですから膨張収縮を繰り返したり、水や熱の影響を受け続ければ劣化していくのは仕方のないことです。下段一番右のような状態はもちろん、真ん中2つのように途中が千切れかかったり、穴が開いているような状態ではバルブからの空気漏れを起こしてしまいます(こうなってしまっていては、先述のナットをいくら締めこんでも意味がありません)。

*2 *1をやっても解決しない場合はこの虫ゴムを確認してみてください。
上記のようになっていた場合は即交換です、パンクの種類と言えるかは別にして「パンクした」と仰って来られる方の半分近くはこれだけの問題の場合が多いです。

どうせ交換するならお勧めなのが

このバルブ。その名もスーパーバルブ。何がスーパーなのと言われると困りますが通常のものより空気漏れが少ない上にバルブの劣化も少ないので長持ちしますよ。

やっと?実際のパンクの話です。

パンク・・・といっても種類があります。①、③は私が勝手に呼んでいる名前?です。

①刺さりパンク・・・タイヤに画鋲、ガラス片、釘、針金などが刺さってしまっておこるパンクです。一般的にはこれだけがパンクだと思われがちですが、パンク全体からしたら実はスゴク少ないんです。私の感覚的にほんの数%です。
路面に画鋲を置いておいて自転車で走りながらそれを踏もうと思っても(わざわざやる人もいないですが)結構難しいですよね、広い道路を走っていてその「点」を踏んでしまうなんて正に奇跡?運が無かったと諦めるしかありません・・・。もちろん明らかにいたずらかな?と思うものもありますけど。

②リム打ちパンク・・・ロードバイクやクロスバイクなどのタイヤの細い自転車でおこり易いパンクです。MTBでも山道を走っているときにたまにおこります。歩道の段差などに乗り上げたときに『ガコォッ』っと衝撃を受けたことはありませんか?

タイヤが凹んだ瞬間

この時写真のようにタイヤが瞬間的にではありますがリム(ホイール)に当たるまで凹んでしまいます。そうするとタイヤ内部のチューブはタイヤとホイールに挟まれて痛タタタァッーです(笑。で千切れてしまうパンクです。もちろん軽快車でもよくあります、空気圧の管理をしっかりしていれば未然に防げるパンクです。

タイヤにしっかり空気を入れているとしても、段差の時は体の重心を移動してあげて(段差に乗り上げる時には前輪後輪順番に加重を抜いてあげましょう・・・ペダルに立つと行い易いです)タイヤに負担をかけないようにしてあげるのも大切です。

③擦り切れパンク・・・軽快車ではこれが一番多いんです、とにかくこればっかり、、、次はコレに焦点を絞って書きます。

前述のバルブ、当然チューブにつながってます、というより一体になってます。

中のチューブはこのバルブ部分だけがホイールに固定されている状態なんですね。
空気がいっぱい入っていればタイヤの内側を押し広げ密着しますので身動きができなくなるんですが、空気が少ない状態ですとタイヤの中でたるんでしまって動いてしまうんです。

そうするとどうなるか、不思議なことですがこうなったり
写真1

こんな状態になっちゃったり
写真2

するんです。
よくわかりませんよね?中で動いたチューブは唯一身動きの取れないバルブ部に集まって来てしまって『写真1』のようにタイヤの中で折り重なったり、『写真2』のようにシワシワに折れ曲がってしまったりするんです。

次に空気入れたときに元の状態に戻ってくれれば問題ない(こともないですが)んですが、一度こういう状態になってしまうとチューブを入れ直したりしないことにはうまく膨らんでくれない事が多いです。折れ曲がったところがそのままに他の部分だけに空気が入ることになりますので折り目に負担がかかります←この折り目になったところがパンク(破裂)することもあります。

チョッと話がそれましたが、中で動き回ったチューブがどうなってしまうかというと

こうなっちゃうわけなんですね。
タイヤ内面に対し『消しゴム』擦っているような状態でチューブが削れちゃうんです。
写真のチューブですが、表面がボコボコしているのがわかりますかね?
チューブの向こう側に見えるのは削れたカスです。
1本のタイヤから出てきたカスですが決して多いほうではありません、エェェェッーっというほど大量に出てくることもあります。

当然削れた分チューブは薄くなっています、特にボコボコした穴の部分、その内チューブは内圧に耐えられなくなってプチンッっと破裂、、、前述しましたがコレが一番多いパンクのケースです。

この場合パンクしたのは一番弱くなっていた部分が破裂しただけですのでココを直しても2番目、3番目に弱いところは自分の番を待ってます。実際1ヵ所だけと思って修理して1度空気入れて確認中にまた別の所がなんてこともあります。
ココまでなってしまっている場合は正直チューブそのものを交換しないことには根本的な解決にはなりません。

このパンクも元はといえば普段空気をあまり入れていないことが原因のパンクなんです。

空気のちゃんと入った自転車ってとても乗り心地がいいんですよ。ペダル漕ぐのが軽くなるし、嫌な衝撃もなくなるし悪いことは全く無いです。

でも街中を見渡すとペチャーンと潰れたタイヤのままで走っている方がすごく多いです。皆さんそんなに足を鍛えたいんでしょうかねぇ・・・

実は『空気入れないといけない』ということを知らない方もいらっしゃるんですよ。

お店に「パンクしちゃったんだけど・・・」と来られる方の中には空気を入れなくてはいけないことを知らない方も結構いらっしゃいます。
これは自転車を販売する側にも問題があるのかもしれませんが・・・

完全には抜けきっていないんですが前後ともフヤフヤの状態で持ってこられる方によくよく話を聞くと「買ってから空気なんて入れたことない」と言われることがありますし、、、「買われたのはいつなんですか?」と聞くと半年や1年なんて言う方は結構います。本当です。。。スポーツバイクに乗ってる方に話をするとビックリします。。。
「ただ単に空気抜けただけですよ」って細々説明して空気を入れて差し上げると「へぇーー」と帰って行かれます。。。。

まぁこの時点でタイヤの中は大抵チューブが削れて・・・・・
なことになっている場合も多いかと思いますが・・・・

自転車のタイヤの中にはチューブが入っています。
この『チューブ』要は細長いゴム風船です、、、家で風船膨らませたことある方はお分かりだと思いますが、数日すればしぼんでしまいます。
これは風船がパンクしているわけではないですよね。
自転車のタイヤも同じです。

乗っても乗らなくても、もちろんパンクしていなくても空気は漏れていくものなのです。

1週間から10日に1度は空気の補充をしましょう。

そうすればほとんどのパンクを防げますよ。
ママチャリだけでなくタイヤの小さな折りたたみ自転車やミニベロも同じことが言えますし、
もちろんスポーツバイクも空気圧の管理は日頃のメンテナンスで一番大切なことです。

最後にパンクかなと思ったり、空気を入れる時に要確認
*1:タイヤを1周させてみて何か刺さっていないか?
対処法・・・何か刺さっていたらすぐ抜いてください。
何かが刺さったまま走り続けると中のチューブが動いてしまったりなどで穴だらけになってしまうこともあります。
*2:タイヤの溝は減っていないか、擦り切れていたりしないか、亀裂が入っていないか?
対処法・・・そろそろ(すぐにでも)タイヤの交換をお勧めします。
走行中にバーストしたりしますと大変危険です。

最後までお読みいただいてありがとうございました。