私とチェンライ・・・長い1日その1

今回のチェンライで話題を独占した迷子のSゴさんからレースレポート第一弾が届きました。
先に書いておきますが、彼はMTBジャパンシリーズをエリートクラスで走る脚にも体力にも自信のある人です。

以下本人から届いたものをそのまま転載(太字は私の書き足し
************************************************

まずはこの度は皆さんにご心配をおかけし、申し訳ございませんでした!
僭越ですがチェンライのレースレポートを書かせて頂きます。

*途中、冗談のような行動をしていますが事実です。

皆さん十分ご理解されていると思いますが、イベント自体は極めて安全に 企画されており、
元々は単純なミスから起きた事象である事を付け加えさせて頂きます。(迷子になったのは自分だけです)

レース中に道を間違え、約6時間彷徨ったのですが、
写真は戻れるきっかけになったメモです。
 (主催者側からは万が一の時の為にホテルに帰るためのタイ語の文章が書かれた紙を事前に配られています・・・当然持って行かなかったから・・・)もうこれは一生のお守りですね。
現地の人にリムコックホテル、チェンライ市街という文字と
エレファントタスクの吊橋付近までの地図を書いてもらいました。

チェンライは今回で3回目、昨年は現地入り後、レース前日に怪我をして
DNSその後一ヶ月サドルに座れず今年こそはと臨みましたが
今年は更なる困難がまっておりました…
今年こそは・・・去年走れなかった分もとかなり気合入って元気な朝でしたw。

すべてはここのミスで始まりました(実はゴールはココから2kmだったのに・・・)

去年走れなかった分、楽しみながら走ってました。
前の2人は早々に切れてしまい、3位を走行、後ろも大分離れている
感じでした。
しばらく走っても矢印がないので、おかしいかなと思いつつも軽めの下りで
気分よく走行、でも少し心配になったので、道行く人2.3人に『ゴール?』と進行方向へ指をさすと皆爽やかな笑顔でうなずいてくれる。流石微笑みの国
チェンライ最高!などと思いさらに脚をかけて行く。

1時間程走り、これはおかしいだろうと欧米人のバイクのグループを引率していたガイドに尋ねてみる、『ゴールはぜんぜん後ろ、20キロは戻るよ』
「あーぁ」と皆に笑われながら来た道を、、、今年もやっちゃたなぁ~、でもたくさん走れたしまぁいいか、などと思い、気軽な感じで引き返す。しかしなんか見た事ない風景、まあ逆から見てたからかなぁ~…あはは・・・・・・

え~こんな村来たっけ?

レース中に通った村は、事前に案内がされているお陰か、皆笑顔で応援してくれていた、でもここは何かが違う。警戒心たっぷりの視線で自分を凝視しています。英語はぜんぜん通じないので、自分のチャリのゼッケンをさしながらどっち?見たいに聞いてみるが、みな困った顔。迷ったねこれは、、初めて自分が迷っている事に気づいた瞬間でした。

でもまぁ昼位には着くだろうし、途中で後発組には追いつくでしょ、賞金貰えたのにおしかったな~なんて考える余裕がこの頃はまだありました。

焦ったのは、村を下った(結構いい感じに斜度もある下り)先にある大きな川に出た時、途中幾つか沢渡り的な箇所はありましたが、ここのは明らかに深く、広い。絶対にこんな所コースにしないだろうと容易に判断できます。
(このあと渡ることになるんですが)

来た道を20分程上り、さっきの村へ。今度はもう少し若い人に聞いてみる。ゴールの場所の名前もわからなかったので、コースの終盤にあったような気がした温泉(ホットスパ)の場所を聞いてみる。するとさっき激坂を戻ってきた川のある道を指差すではないですか。
マジで??ウソ??何度聞いても同じ方向を指してきます。
自分も教えてくれた少年もしばし苦笑い…

レースとかじゃなくて帰れないかも。

皆はもうお昼だろうな…そろそろ俺がいないの気づいてるかな…
(この頃私達は主催者から1人コースを間違えて行っちゃったのでスタッフが探しているということを聞いていました)
徐々に不安が増してきました。
水も底を尽きかけてきたので、この村で唯一と思われる売店でコーラを購入。
村と書いていますが、高床式の小さな小屋が10軒程の集落です。もちろん未舗装、電気も水道もありません。気温30度超えの中、コーラももちろん常温。でもこれが旨かった!
むさぼるようにあっという間に3本空け、更に背中に3本詰めこむ。

やはり間違った交差点までリカバリーしようと来た道を引き返す、
ゴールを目指して走っている時は1本道だと思ってましたが、いざ探しながら進むと以外とたくさん脇道がある事に気づく。道行くおばあさんに声をかけるも、怯えた表情で『うっ、うっ』と言いながら逃げられる始末、   まあピタピタの服着て穴あきヘルメットにグラス乗っけてたら宇宙人だよね。

ダメだ~!戻れね~!
色々脇道に入るも一向に矢印が出る気配なし。
完全に方向感覚が無くなり、言葉も通じず、気温30度。
日本の街中で怖いお兄さんと目があっただけで縮みあがる程の肝っ玉の
自分がこの環境下で冷静でいられる訳がありません。
時刻は15時過ぎ、そろそろ日が傾いてきました。

つづきます。

Tags: , ,