ANCHORの工場見学

昨日は埼玉・北上尾にあるブリヂストンサイクル本社工場に行ってきました。
午前中はみっちり座学。アンカーの歴史から製品開発のこだわりなどなど。
カタログをしっかり読みこめば書いてあることなんですが、言葉で聞くと理解度が違いますね。
休憩時間にはショールームに展示してある歴代の自転車眺めたり・・・
1960年頃の原動機付き?自転車・・・私は産まれてませんw。
ロードマン。これは懐かしいですね、昔こんなの買ってもらった覚えがあります。
シドニーオリンピックを走った雷太さんのバイクもありました。アルミ全盛、カーボンも出始めた当時ですが、クロスカントリーではクロモリバイクも乗ってる人多かったですよね。

午後は工場、製品試験行程、アンカーラボの見学。当然写真はNG。
アンカーラボ
アンカーの製品開発はまず所属選手の筋力、最大酸素摂取量、ペダリングスキルなどを独自の器械で測定して選手がフレームに求める性能と共に数値化してフレームの剛性などを決めていくことで開発時のトライ&エラーを極力減らし効率的に製品化しています。もちろんトップモデルだけでなくアルミモデルもそれに合わせて剛性のバランスなどが図られています。
製品試験
開発段階、または製品そのものを様々な試験機にかけることで、フレーム、フォークに一般の方が一生乗ってもかけれないくらいの負荷を時間をかけてテストしていました。
それはJISが求める工業規格基準をゆうに上回るもので、スポーツバイクだけでなくママチャリも同様、チャイルドシートや荷台(リアキャリア)、スタンド、ランプなどブリヂストンが自社の完成車に採用する付属パーツも全て同様にテストしています。
工場
一般車特に電動アシストバイクが多く同じ工場内で生産されていますが、今回はANCHORがメイン。
カーボン、アルミフレームは海外生産ですが、アンカーの中でも人気のクロモリ・RNCシリーズはパイプ原管のカット・加工から全て国内生産にこだわっています。アンカーオリジナルの技術であるスピニングバテッド加工で適正な肉厚・太さに加工した後バルジフォーミングとレーザーカットでパイプ接合部を最適な剛性になるように成形してラグ一体の状態に加工します。

海外メーカーの完成車と大きく違う点はその多くがカラーの他、シマノコンポ、ハンドル、ステム、サドルなどユーザーによって仕様が変わるセミオーダーである点ですが、こうして作られたフレームは(アルミ、カーボンフレームも含む)下処理がされた後に専用ブースで塗装され、パーツの組付けに関しては流れ作業のラインではなく各オーダーに合わせて1台を1人が行っています。補足で書いておくと最近はすっかり主流のMAVICやシマノの完組ホイール、これも各メーカー出荷前には製品検査をしていると思いますがアンカー工場ではこれらを完成車に組み付ける前に全て振れ取り検査もしていました。外から買ってきた製品であっても自社バイクに取り付ける時点でそのモノに責任が生まれるということなのでしょうね。徹底した品質管理に今まで以上に安心感を覚えました。

もう一つ海外メーカーができない点は、15万円の完成車(ロードバイク・シマノTIAGRA仕様)でも30色以上のカラーを選べる点、ハンドルやステムのサイズまでより体に最適であろうモノを差額無しで選択できることも魅力ですし、背が小さいからなかなかサイズが無いのではと700cのバイクを探すのに困っていた人でも140cm位から対応できるフレームサイズの豊富さも国内メーカーの強みです。


今回で私自身メーカーの生産現場は2社目。
開発陣や生産現場を生で見聞きすることはとても刺激的で勉強になります。
数年前にアメリカで見聞きしたスペシャライズドの開発スタッフは皆が皆本当に自転車好きで自分たちが乗って楽しい、自分たちが欲しいバイクをそれが入門モデルであっても妥協無しで開発しているのが伝わってきましたし、昨年行った台湾のメリダ工場は生産規模こそ世界2位かもしれませんがその徹底した品質管理体制にびっくりしました(詳しくはコチラで)。
何処のメーカーも同じように何かしらこだわっているとは思いますが、私自身が観て聴いて納得したモノは皆さんにも安心して強くお勧めできます。今回貴重な機会を作ってくださったブリヂストンサイクルの皆さんには感謝です。

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